- 歯並びが悪い大人の特徴
- 子どもの悪い歯並びの例
- 歯並びが悪いとどうなる?
- 歯並びが悪くなる原因・習慣とは
- 悪い歯並びを
自分で治すことはできる? - 子ども・大人の歯並びで
お悩みの方は、当院にご相談ください
歯並びが悪い大人の特徴
日本の人口のおよそ60%近くは、悪い歯並びである不正咬合に該当すると言われています。
近年では、歯並びは見た目だけでなく予防や健康面でも整えておいた方が良いという考え方が広まりつつあり、子供から大人まで幅広い年代の方が矯正歯科治療を始めるようになりました。
ですが他の先進国と比較すると、矯正歯科治療に興味関心のある方の割合は圧倒的に少なく、海外から見た日本人のイメージに、歯並びが悪いことが挙げられることもあるほどです。矯正歯科治療を行う方が少ない理由として考えられるのは、歯並びの大切さは理解していても、実際に自分が不正咬合に当てはまるのかを把握できていない点と言えます。
矯正歯科治療に踏み切るには、このままの噛み合わせだと将来どのようなリスクがあるのかをしっかりと理解することが大切です。
叢生(そうせい)・
八重歯・乱杭歯
叢生とは、ガタガタに生えた歯並びの状態のことを言い、「乱杭歯」とよばれることもあります。
そのほか、犬歯が大きく飛び出している「八重歯」や、歯がねじれて生えてしまう「捻転」も叢生の症状の1つです。なお、叢生の症状がひどい場合、生えるはずの永久歯が出てこられなくなる「埋伏歯」に陥ることもあります。
叢生の大きな原因には、顎の大きさがあります。顎が小さいと、歯が骨格内に収まらずにはみ出すため、歯が重なり合って生えてしまいます。そうすると、ブラッシングが難しくなり、虫歯や歯肉炎を引き起こすリスクが高くなってしまうのです。
上顎前突・出っ歯
上顎前突とは、下の歯よりも上の歯が6mm以上前に出ている状態のことです。いわゆる「出っ歯」や「下顎遠心咬合」とも呼ばれています。
前歯が極端に外側に向いて生えている場合や、口を閉じても歯が見えてしまうような状態を指します。そのほかにも、歯だけが前に出ているケースや、上顎の骨全体が前に出ていることもあります。
不正咬合の中でも、特に上の前歯をぶつけやすい、口が開いたままの状態になりやすい、口元の見た目が悪くなりやすいことがデメリットとなります。
上顎前突の原因は、指しゃぶりや口呼吸といった悪い癖、上下の顎がアンバランスに成長したことによるものなどが考えられます。
空隙歯列・すきっ歯
空隙歯列とは、歯と歯の間に隙間が大きく開いた状態のことです。いわゆる「すきっ歯」とも呼ばれます。空隙歯列は、サ行の発音がしにくくなり、笑った時の見た目に問題がでてきます。
空隙歯列の主な原因は、顎の大きさです。顎の骨に対して歯が小さい場合や歯の本数が先天的に少ない場合、もしくは舌で前歯の裏側を押し出してしまう癖により、前歯が外側に傾き、隙間ができてしまう場合が考えられます。
開咬
開咬は上下の前歯が噛み合わずに、常に隙間ができてしまう状態のことです。「オープンバイト」と呼ばれることもあります。
前歯で食べ物を噛み切ることが難しく、麺類を不得意とする方が多いです。また、話す時に前歯の間から空気が漏れてしまい、言葉が聞き取りにくくなるといったトラブルも起こりやすくなります。
さらに本来歯全体にかかる力が、奥歯にすべてかかるようになるため、奥歯への負担がとても大きくなるというリスクもあります。
開咬の原因は、骨格が面長であることや舌で歯を押す癖が挙げられます。また、口呼吸や指しゃぶりも開咬の原因の1つです。
過蓋咬合(かがいこうごう)
上顎突出に似ている過蓋咬合とは、上の歯と下の歯が深く噛み合っている状態のことです。
上の歯が下の歯を隠すように覆うため、下顎を動かすことが難しくなります。また骨自体に負担がかかることから、顎関節症を引き起こすリスクが高くなる特徴もあります。
ひどい場合だと、下の前歯が上の前歯より内側の歯茎に食い込んでしまいます。そうすると下の前歯によって歯茎が傷つき、炎症を起こしたり菌が入り込んだりして口内炎の症状が出ることもあります。
また上の前歯が他の歯よりも下に出ているため、「ガミースマイル」となる可能性も否定できません。
過蓋咬合の原因は、下顎骨の成長が不十分なことや、虫歯になった奥歯を失ってから放置した場合などが挙げられます。
反対咬合・下顎前突・受け口
反対咬合とは、前歯3本以上の噛み合わせが上下逆になっている状態のことです。「受け口」や「しゃくれ」とも呼ばれます。
前歯の傾きを原因にするタイプと、骨が前に出ているケースがあり、特に骨が原因の場合は「下顎前突症」と呼びます。受け口の原因は遺伝的な傾向が強く、上下の顎の成長がアンバランスであることや、舌の位置が低い(低位舌)が考えられます。
特徴的な顔立ちとなるため、周囲が思う以上に見た目に悩んでいる方が多いです。
また言葉が聞きとりにくいと言われたり、食事が食べにくくなったりといったデメリットもあります。
子どもの悪い歯並びの例
たとえば、上顎より下顎が後ろの位置であれば出っ歯になり、骨の大きさに対して歯が大きければ凸凹になります。
前歯が重なる・
八重歯がある
前歯の並びがデコボコと乱れていたり、重なり合ったりする状態のことを叢生もしくは乱杭歯といいます。噛み合わせに問題があることが多く、咀嚼がうまくできないため、歯だけではなく胃腸にも余計な負担がかかることが多いです。
丁寧に歯をブラッシングすることが困難になり、虫歯や歯周病のリスクが上昇してしまうというデメリットがあります。
なお八重歯も叢生に分類され、矯正歯科治療の対象となる症状の1つです。
噛み合わせた時に前歯に
隙間がある・
前歯が噛み合わない
奥歯で食べ物を噛んだ時、上の前歯と下の前歯の間に隙間が生じている状態を開咬と言います。
通常であれば、食べ物を噛み切る役割は前歯が担いますが、開咬は前歯の機能を十分に働かせることができません。一方で奥歯の負担は大きくなるため、ダメージが蓄積すると、歯の寿命を縮めることにも繋がります。
下アゴが前に出ている
下顎が突出している状態は、受け口と呼ばれます。また、下顎前突や反対咬合と呼ばれることもあります。
噛み合わせの乱れから、歯や顎関節に偏った負担がかかりやすくなり、咀嚼機能が低下しやすくなります。そのため、胃腸への負担増加が懸念される状態の1つです。
受け口の治療は、3~4歳頃を目安に、早期治療が望ましいとされています。骨格に大きな問題があるケースだと、外科的手術が必要になる場合もあります。
出っ歯
出っ歯とは、上の前歯が下の前歯より大きく前方に位置している状態です。上顎前突とも呼ばれます。見た目を気にするケースが多く、前歯の表面や口腔内が乾きやすく、虫歯の原因の1つになることもあります。
上の前歯が前方へと傾いている場合と、骨格自体がズレて歯が突出しているケースがあります。
歯並びが悪いとどうなる?
歯並びは機能面からも大変重要な役割があり、噛み合わせが悪ければ、咀嚼効率が低下してしまうため、消化器全体への負担が懸念されます。
また顎の骨や周囲の筋肉の発達も阻害されてしまうことから、骨格が形成されにくくなるデメリットもあります。さらに反対咬合や開咬の場合には、正常な舌の動かし方と異なるため、サ行やタ行の正しい発音ができなくなります。
正しい噛み合わせは、脳によい刺激を与えることや、スポーツ医学上の成果にも結びつくことが解明されてきています。心理的にも、歯並びの悪さが劣等感となることは明らかです。歯並びや噛み合わせの問題は、見た目だけではなく健康上の理由からも大切なことなのです。
歯並びが悪くなる
原因・習慣とは
歯並びが悪くなる原因は、大きく分けて遺伝が関係する先天的なものと、悪い習慣による後天的なものの2つに分けられます。
歯並びが変化しやすい子供だけではなく、成長期が終了した大人も、悪習慣に気を付けなければ徐々に歯列が乱れることがあります。
口呼吸をする
口呼吸が原因で長時間口が開いたままの状態でいると、口元や舌の筋肉が衰えやすくなります。筋力低下は、前歯が前方に倒れやすくなる原因となるため、出っ歯の発症や悪化する可能性が高まります。
また筋力低下で唇がしっかりと閉じなくなり、悪循環を生みます。
口呼吸の原因とされる鼻炎や姿勢の悪さを改善することで、不正咬合が発症する前の予防が可能になります。
舌や食いしばりなどのクセ
舌を噛んだり、歯を押したりといった舌癖や、食いしばりや歯ぎしりなどの癖があると歯並びが悪くなります。
また、食いしばりや歯ぎしりは、歯自体が擦り減ったり割れたりする原因でもあります。無意識のうちにしてしまうため、歯科医院で歯にかかる負担を軽減するマウスピースを使用した治療を受けるようにしましょう。
むし歯や歯周病を
発症している
虫歯や歯周病を原因とする痛みや違和感を抱えていると、そこを避けて噛む癖が付き、周囲の歯に大きな負担がかかります。
また、歯周病の場合は、歯を支える歯槽骨が弱くなるため、歯がグラグラしたり抜けやすくなったりすることもあります。
虫歯や歯周病は放置せずに、適切な治療を受けて予防することが大切です。
姿勢が歪んでいる
猫背やストレートネックといった姿勢のままでいると、歯並びや噛み合わせが歪みやすくなります。
さらに猫背のような姿勢は筋肉の関係で口が開きやすくなる特徴があり、悪い姿勢と口呼吸がより歯並びを乱れやすくします。
常に頭頂部から糸で上に引っ張られるような意識を持ち、正しい姿勢を維持できるように努めましょう。
よく噛んで食べない
よく噛まずに食事をすると、口や舌、顎の筋肉が衰えてしまいます。そのため、正しい歯並びを維持できなくなり、歯列が乱れていきます。
また片側ばかりで噛む癖がある場合には、歯並びが悪くなるだけではなく、顔の輪郭が歪む原因にもなります。
意識的に左右均等に噛むようにし、虫歯が原因でうまく噛めない時には歯科医院で治療を受けましょう。
悪い歯並びを自分で
治すことはできる?
歯科医院に通院せずに、自力で歯並びを治すことは難しく、非常に危険です。
歯を動かすには、至適矯正力(してききょうせいりょく)といって、患者様お一人おひとりに適切な力加減があります。
むやみに歯に力を加えると、歯並びを整えるどころか思わぬトラブルを招いてしまう恐れがあります。
歯並びを自力で治すことの
デメリット
歯の寿命を縮める
歯に強い力をかけると、歯根が短くなったり、神経がダメージを受けたりして歯や歯茎を傷つける可能性があります。
最悪の場合、歯の神経が死んで、抜歯を避けられない状況になることもあります。
歯並びや噛み合わせが悪化する
歯科医院で行う矯正歯科治療は、医学的な根拠に基づき、患者様お一人おひとりに対して綿密な治療計画を立案します。目に見えない歯根や、周囲の骨といった総合的なバランスまで考慮しながら歯を動かします。
しっかりと考えて歯を動かすからこそ、歯が口内の限られたスペースに収まり、歯並びが噛み合うようになるのです。
医学的根拠のない方法で歯を動かしたとしても、歯並びが崩れて余計に噛み合わせが合わなくなる可能性が高くなります。
顎関節症は頭痛や肩こりといった不調の原因になる
歯並びや噛み合わせがズレると、顎の位置も変わってきます。
そうすると顎関節症はもちろん、頭痛や腰痛、肩こりといった様々な身体の不調を引き起こす原因になります。
食べ物を噛む時には、頭や首の骨に繋がる筋肉も連動して動きます。すべての関わる筋肉がバランスよく使われていないと、歪みを生じやすくなり、頭痛や肩こりといった不調に繋がるのです。
子ども・大人の歯並びで
お悩みの方は、
当院にご相談ください
矯正歯科治療には、見た目を美しく整えるだけではなく、噛み合わせといった機能的な改善も含まれます。矯正歯科治療によって正常な歯並びや嚙み合わせになることで、虫歯や歯周病を発症するリスクが減り、歯の寿命を延ばすことになります。